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雨が突然降ってきた。帰り道と言ってもまだまだ、家までには遠すぎたので、帰るか否か考える。近くに見慣れたカフェがあった。雨でも降らなければ、入らないのでこれを機会にやってみることにした。


そのカフェは、見た目よりも奥まっていて、奥には外を見渡せるスペースが広がっていた。明るすぎずも、暗すぎずもせず、一つのスペースを照らす、丸くて大きいライトが気に入った。まばらにお客さんはいたものの、1人や2人で来ていて、好みの静かさであった。


こんな場所では、ラジオを聴きながらノートに気になった言葉を並べていく。今日のワードは、"白樺派"である。社会の教科書に載っていたような気がするのだけど、これがなんなのかはわからずにいた。端的にまとめると、人間肯定・個人主義・自由主義・人道主義らしい。


私たちは、白樺派に近づいているような気がした。人間中心の社会であると思い込みながら生き、ネット社会の中で個人というものを際立たせようと生きる。そして、多くの場所を訪れ自分の自由の幅を広げていこうと試みる。世の中に蔓延る悪とされるものを駆逐しようと必死に正義を振りかざす。


これを肯定的に見ることもできる。人間の持つクリエイティブやコミュニケーション能力に重きを置くことの重要性に気づき始め、一人一人に個性や考えが備わっていることを互いに認め合う。人種や国に縛られることなく活動し、いいことを広めていこうという考えが多くの場所で広がっている。


ひと昔まえには、否定されていたこの白樺派の考えが現代の文化になりつつあることを白樺派の作家たちに伝えたいものである。いつの日か国語の授業で志賀直哉の”城崎にて”を読んだことを覚えている。その時は、全くの共感も理解も覚えなかった。今読んだらどんな感情になるのだろうか。今度本屋で買って読んでみよう。






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