Batu Cavu
- ikemen Ude
- 2021年11月5日
- 読了時間: 2分
酸っぱくも甘い懐かしさの残る香り。インド人街やインド寺などに行くと、ネパールの時を思い出すあの香りがふと漂う。レストランやパン屋に行った時に嗅覚が敏感になることはよくあるのだが、日常の中での香りの違いは、異国ならではな気がする。誰でも一度は味わったことがあるであろう、通りすがりの香水の香りが、食以外の新鮮さを私の鼻にもたらしている。
今日は、バトゥケイブという、寺が備わっている洞窟を散策してきた。ヒンドゥー教の祝日と被っただけあり、そこらじゅう人だらけであった。色とりどりの伝統衣装を着て、家族でお参りに来ている姿は、日本の初詣を思い出させた。家族で、見えないものに対して挨拶をしに行くという行為を意味をわかってしている人はどれだけいるのだろうか。
伝統や習慣としてその場所に根付いているものに魅力を感じるし、その歴史の長さに感銘を受ける。しかし、それが当たり前になりすぎて、どうしてその行動をする事になったのか、その意味はなんなのかを知らない習慣があった事に今更気づいた。毎年、お参りに行っていたのに、自分が何に対してお参りして、この行為の始まりはなんだったのかを考えたこともなかった。他の宗教を圧倒的第三者視点で見たからなるこの気づきである気がする。
そんなこんなで、土足厳禁の印を疑ってしまうような悲惨な階段の状況と格闘しつつも(その頃は、牛乳が滴っていた)、神聖な寺へ足を踏み入れさせていただいた事を感謝したい。カラフルな花やご飯、蝋燭や置物など、供物のバリエーションにも驚かされたが、それだけ彼らにとって神が近い存在であることを気付かされた。
栃木県出身ということもあり、三猿”見ざる、聞かざる、言わざる”には親近感を覚えていたはずなのだが、ここでは目を疑うほどの恐怖に見舞われることとなった。

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