休日
- ikemen Ude
- 2021年11月26日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年11月28日
2021.11.26日記
晴れの日には何処かに出かけなければと細胞がうずうずして仕方がないから、今日みたいな日には始末すべき厄介事が手につかず困りものである。
身体は充実感を求めて、早く出かけようと催促するけれど、何時も行く当てがない。予め下調べをするなんてことは殆どしないので、急に暇ができて天気も良いと時間を持て余す。これは天気が良いのが悪い。
本日はかねてから行こうと決めていたゴッホ展を見に電車を乗り継ぎ目的地へ。中央線は事故なのか遅延していて、昼にもかかわらずすし詰め状態。寒さには負けぬようにヒートテック二枚重ねを決め込んでいたのだけど、人ごみの熱気のせいでぼろぼろの状態で目的地に到着した。
改札を出てすぐ、見事な銀杏に出迎えられ、散歩日和の穏やかな風を浴び、気を取り直すも美術館には当日券完売の文字。前にも同じ過ちを犯したのにもかかわらず学んでいない。計画性の無さが裏目に出ている。しかし運命論者であるので、今日展示がみられなかったのは、決して私の準備不足ではなく、好機ではなかったと解釈しておく。それほどダメージは受けない。気を取り直して計画を変更する。二駅先に珈琲とチョコレートの粋な店がある。その店に行くためなら、1時間の満員電車には耐えられるし、実家から4時間かけて向かうことも苦ではない。だから今日は、その店に行く予定であったと記憶を書き換えることにした。
そこは、東京の喧騒から切り離された空間といったらいいか、その場にいるだけで自然に呼吸が深くなる不思議な店だ。店に行くというのはその店の主や従業員に会いに行くことでもあるのではないかと思う。おいしい料理や飲み物を楽しみ、お店の方の人柄に触れる。これがこの頃の至福のときである。
お店をでて、時刻はまだ16時。家に帰るのは早い。何かもう一つ、今日を楽しむ術はないか。駅までの道を歩きながら考える。見たかった映画はついこの間上映期間が終わってしまったし、珈琲も飲んでしまった。金曜だし誰かを誘おうかとも思ったが連日の外食続きに罪悪感もある。そういうときには本屋しかない。3周ほど本屋をぐるぐる、厳正な審査の結果、僅差で小林秀雄氏の『ゴッホの手紙』が本日の夜のお供の座につくこととなった。なんだかんだ、今日見られなかったゴッホへの未練は根深いのかもしれない。
せっかくの金曜の夜。まだまだ楽しまなければ。では。






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